2024年04月04日
ワイヤー矯正・マウスピース矯正
ワイヤー矯正とマウスピース矯正の比較について説明します。
これらの矯正方法にはそれぞれメリットとデメリットがあり、矯正治療に精通した歯科医師により適切な方法を選ぶことが重要です。
ワイヤー矯正(固定式矯正装置)
ワイヤー矯正は、ブラケット(歯に直接接着する小さな装置)とアーチワイヤー(歯を移動させるためにブラケットに取り付けられるワイヤー)を使用する伝統的な矯正方法です。
メリット
高い効果: 重度の歯並びの問題や複雑な歯の移動に効果的です。
確実なコントロール: 歯科医が個々の歯の動きを細かく調整できるため、正確な矯正が可能です。
治療期間の短縮: 通院が必要ですがマウスピース矯正よりも治療期間が短いことがあります。
デメリット
目立ちやすい: 金属製のブラケットとワイヤーは目立ちやすく、審美的に好まれない場合があります。
口内の不快感: ブラケットやワイヤーが口内に擦れて、口内炎や不快感を引き起こすことがあります。
清掃の難しさ: ブラケットやワイヤーが食べ物の残りを引っ掛けやすく、口腔衛生を保つのが難しいです。
マウスピース矯正(透明アライナー)
マウスピース矯正は、透明なプラスチック製のアライナーを用いる方法で、インビザラインなどのブランドが有名です。患者は特定の期間ごとに新しいアライナーに交換し、徐々に歯を移動させます。
メリット
目立ちにくい: 透明なアライナーは目立たないため、審美的に優れています。
取り外し可能: 食事や歯磨きの際に取り外せるため、口腔衛生を保ちやすいです。
快適性: ブラケットやワイヤーがないため、口内の不快感が少ないです。
デメリット
効果の限界: 重度の歯並びの問題や複雑なケースには適さない場合があります。
患者の協力が必要: アライナーを決められた時間装着しなければ効果が得られないため、患者の協力が重要です。
費用: ワイヤー矯正と比較して高額になる場合があります。
特徴 | ワイヤー矯正 | マウスピース矯正 |
---|---|---|
目立ちやすさ | 目立つ(金属製) | 目立ちにくい(透明) |
取り外しの可否 | 不可 | 可能 |
適応症例 | 重度の矯正が必要な場合に適応 | 軽度から中等度の矯正に適応 |
治療期間 | 比較的短いことが多い | 症例によって異なるが長くなることがある |
不快感 | あり(口内炎など) | 少ない |
口腔衛生 | 維持が難しい | 維持が容易 |
調整頻度 | 高い(歯科医の定期調整が必要) | 低い(アライナー交換による) |
それぞれのメリット、デメリットがありますので、本来は患者さんが『こっちでお願いします』といった選択をすることは難しいと思います。
矯正に知識のある歯科医師に相談し、「噛める」歯並びに仕上げていくことが最重要課題であると思いますので、見た目や優しい(甘い)言葉に惑わされない事が非常に大切です。
矯正歯科は早期治療が困難です。
なるべく早く治療が終わり、患者さんに満足していただくよう努めますがそれでも時間、期限にゆとりを持って通院していただくことが必要となります。