2024年04月06日
TCH
“Tooth Contacting Habit”略してTCHといい、上下歯列接触癖のことを指します。上下の歯を”持続的に” 接触させる癖という意味です。何もしていないとき人間の上下の歯は接触していません。唇を閉じていても上下の歯は触れていないのが正常です。
上下の歯は会話や食事をする際の接触する時間を含めても一日20分程度が正常だと言われており残りの23時間40分は上下の歯は接触しない様に2~3ミリ離れているのが理想の状態です。
TCHがある方の口の中では
・WSD(クサビ状欠損)
・骨隆起
・異常咬耗・異常摩耗
・クラック(ひび)
・歯のチッピング
・修復箇所の破損
・顎関節症
・舌圧痕
・頬粘膜圧痕
といった所見を確認することができます。
症状としては
・熱いものや冷たいものが沁みる様になった。
・顎が痛い、カクカクする。
・歯磨きしているのに虫歯が出来た。
・被せ物、詰め物が取れた、割れた、外れた。
・歯の先の方がザラザラする。かけた感じがする。
などです。
TCHはストレスが掛かるとその症状を悪化させる傾向にあり、歯にとって何のメリットもありません。
更にこの癖は就寝時・歯ぎしり・食いしばり・タッピング、などとして無意識下での力のコントロールが出来ず、どんどん歯にダメージを与えていきます。
睡眠呼吸障害があると更に強いストレスとなりかなりの力で・歯ぎしり・食いしばり・タッピングを行い。
胃食道逆流症が加わることでエナメル質が溶け、加速度的に歯が悪くなっていきます。
改善策は
・日常的に上下の歯を当てないように意識すること。
・日常的に舌先を上顎(前歯の少し後ろ辺り)につけておくこと。
・日常的に鼻でゆっくりと呼吸すること。
・夜間はナイトガードをはめること。
1番はストレスを溜め込まないこと。ですが学校や仕事でなかなか難しいと思います。
いびきや睡眠呼吸障害がある場合は歯の治療をしっかりと終わらせてナイトガードやオーラルアプライアンスにて歯にダメージが伝わりにくくすることが必要です。
胃食道逆流症と診断された場合は早めに消化器内科にて薬を処方してもらい、コントロールできる様にしてください。
あまり強いTCHが認められる場合には顎の筋組織へのボトックス注射が効果的です。