2025年09月27日
All-on-4治療とは!?伝馬歯科・矯正歯科では取り扱わない理由を公開!!

インプラント治療法にAll-on-4という方法があります。
一般的には「4本のインプラント埋入で全部の歯が入る」や「インプラントオペ当日に直ぐ物が食べられる」などと言われ、圧倒的スピード感と埋入するインプラントの本数が少ない「早い」「安い」というのが最大の売りであるとも言えます。
なぜ少ない本数ですべての歯を補うことができるのか?
その謎は主に臼歯部と言われる奥歯辺りのインプラントの埋入方法にあります。
通常のインプラント治療では、最終的に作られる歯のポジションに対して垂直にインプラントを埋入します。(レントゲンで見ると真っ直ぐ埋入されている状態)
Allーon-4では臼歯部インプラントを傾斜埋入させ、インプラントが骨に入り込む長さを通常よりも長く確保し臼歯部のインプラントに掛かる負担を補います。(レントゲンで見ると後ろに倒れたように埋入されている状態)
下顎は一部のケースを除き殆ど問題なく埋入できますが、上顎の臼歯部付近の骨は上顎洞(鼻の奥にある空洞)があるため薄く、インプラントが入るスペース確保が難しくなるケースがあります。
その場合ザイゴマインプラントと呼ばれる上顎洞のさらに上に位置する頬骨を使った長いインプラントを埋入する必要があり、しっかりとした医院設備と術者のテクニックを必要とします。
この、インプラント体を傾斜埋入させた『臼歯部の物理的に強固な維持』こそがAll-on-4の最大の特徴です。
そんな優れたAll-on-4ですが伝馬歯科・矯正歯科では現在までAll-on-4を取り扱っていません。
一体何故か!?
問題はそのインプラントの上部構造(人工の歯)部分にあります。
All-on-4では4本のインプラントで上下片顎全ての歯を支えるため、上部構造は一塊の物をセットする必要があります。
これもセット時の費用を削減するには良い方法なのですが、長期的に考えるとその費用は逆に高くついてしまう場合があります。
一塊の人工物が破損した場合、全てを取り外し、全てを補修する可能性が出てきます。
材料(素材)よっては即時修復できる場合もありますが、一塊になっている人工物の部分的な修復は難しく、大掛かりな補修が必要になる可能性があります。
更に、埋入したインプラント体そのものに何らかの異常があり、撤去、インプラントを再埋入することになった場合、寸分狂わず同じ場所に再埋入することは不可能です。
インプラントの位置が変わってしまうため、そのときは上部構造は全て作り直すことになります。
上部構造も人工物ですのでいつかは作り直しの時期が来ます。
All-on-4は長期的に考えると支出が多くなる可能性があります。
伝馬歯科・矯正歯科でのインプラント治療は前歯部と臼歯部を分けた治療計画を立案させていただいております。決して安くはありませんが、将来的な患者さんのご負担を考えAll-on-4はおすすめしておりません。