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睡眠呼吸障害(SDB)

睡眠中に異常な呼吸を示し、それに伴い身体、または日中の活動に支障を来す病態の総称を「睡眠呼吸障害(以下SDB:Sleep-Disordered Breathing)」と呼びます。 「24時間社会」と呼ばれる今日、睡眠に対する慢性的な問題を持っている現代人は増え続け、日本を含めた数カ国のデータではSDBの割合は男性の2割、女性の1割程度存在するといわれ*2、単純によく眠れたか、眠れないかの問題に留まらないことが最近明らかになってきています。

SDBの代表的な疾患が、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(Obstructive sleep apnea syndrome: 以下OSAS)であり、OSASは上気道の閉塞が原因で、睡眠中に繰返し呼吸停止を起こし、著しい動脈血酸素飽和度の低下、動脈血二酸化炭素分圧の上昇、頻回の中途覚醒反応を生じます。これらにより、高血圧、不整脈、虚血性心疾患、脳血管障害、糖尿病、突然死といった、病的な疾患を合併するリスクが高まると報告されています。また、頻回に発生する無呼吸により中途覚醒がおこり日中の過度の眠気や集中力の低下が生じ、交通事故や労働災害などを来す原因となります。OSAS患者さんは循環器疾患にかかる医薬品使用料が1.7~1.9倍、また不眠・OSASを含めた睡眠障害が原因による年間の経済損失は3.4兆円と報告されています。

OSASの主な症状は、いびき、日中の過度の眠け、日中の倦怠感、性格変化・仰うつ状態、夜間頻尿及びED(erectile dysfunction:インポテンツ)等があげられ、海外における長期予後報告においても、1時間当たりの睡眠時無呼吸低呼吸の数値が15-30回を超えると、健常人に比べ生存率の低下や致死的な心疾患イベント発症率の増加が報告されています。

今後、日本国民の食生活の欧米化などに伴い、肥満傾向は更に強まりOSAS患者さん数の増加も予測されます。しかし、約8割が未診断・未治療であるため、早期診断・早期治療を行う必要性が高まっています。
いびきをかいている場合は早めの受診をお勧めします。


睡眠呼吸障害(SDB)は、睡眠中に呼吸が一時的に停止したり、低下したりする症状を指します。一般的なSDBの種類には、

1.閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA): これは最も一般的なSDBの形態で、睡眠中に気道が一時的に閉塞され、呼吸が止まることがあります。これは通常、下顎や舌の後退などの原因によって引き起こされます。
2.中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA): これは、脳が正常に呼吸の制御を行わないために発生します。つまり、呼吸停止が呼吸筋の動きの不足によって引き起こされることが特徴です。
3.混合性睡眠時無呼吸症候群 : これは、OSAとCSAの両方の要素を持つ睡眠時無呼吸症候群です。SDBはいくつかの症状を引き起こす可能性があります。これには、いびき、頻繁な睡眠中の覚醒、朝の頭痛、昼間の眠気や倦怠感、集中力の低下などが含まれます。

SDBの治療法には、口腔内装置(OA)、持続的陽圧呼吸療法(CPAP)、外科手術、ライフスタイル変更などがあります。治療法の選択は、症状の重症度や原因、個々の健康状態などに応じて決定されます。