2025年08月02日
早い、安い、うまい医療が増えてきた!?そんな医療はあるのか?

『早い医療』を実現するには各職種のレベルアップが必要でしょう。同じ条件で同じ処置をするのに片方は時間が倍以上掛かるようではいけません。正確に、早く、確実に医療を行わないといけません。しかし、更なる時間短縮を目標にすると今度はどこかで手を抜かなければ達成出来なくなります。早さには限界があり、スピードを追求するとある一定の時間を超えた時短は理論的に不可能となります。
『安い医療』を実現するには、まず使用材料を一番安価なものとすることでコストを抑えます。スタッフやその他関係者の給与も安く抑えるため最低限の知識を持った人材の数を揃え、次々と細かい専門的な場所へ患者さんをたらい回しにする他ありません。時間の制約もありますので、複雑なことは行いません。流れ作業のように医療をすすめます。
『うまい医療』、『上手い医療』を実現するには、医療従事者全員のスキルを高めることが必要です。誰が見ても納得できる医療は一般的にうまいと表現されます。それにはしっかりと計画を立てるために、何故こうなったのか?原因を考え、これからどうするか?といったゴールを立案。ゴールへ向かうには今何をしたら良いか?といったしっかりとした考え方が必要でしょう。
早い=時間短縮
安い=安価な人材・機材、流れ作業的
うまい=しっかりとした医療
こう考えると、『安価な人材・機材で流れ作業的に時間短縮を行い、より良い医療をする』ということになりますが、いかがでしょうか?そういった医療は果たして可能でしょうか?
これこそ日本人が医療全体に求めている希望だと思いますが、みなさんもご存知の通り・早い・安い・より良い医療はありません。
もしも、そんな医療があるとするならば専門知識を持った医療従事者自身がこぞって早くて、安くて、より良い医療を受けるはずです。
そうなれば、どこの医療現場も同じ方法を取るため、個々の医院の強みなどは出てこなくなるはずです。
医療は患者さんが昔よりも、今現在よりも、将来的により良くなることを目的に行なっています。
将来的に確実な医療を提供するにはそれに伴った金額と時間と技術を要します。
くれぐれも世の中に出回っている『早い、安い、うまい医療』に惑わされないよう注意していただきたいと思います。