2024年04月02日
精密検査の必要性(治療成功の鍵)
矯正や全部の歯を治療する全顎治療、インプラント等の治療シミュレーションに於いて過去では、
・型取り
・石膏模型作製
・石膏模型の歯を1本ずつバラす
・バラした歯をまた模型上に綺麗に並べる
・咬耗しているところや虫歯、歯の無いところにWaxで歯を作る
といったSetUp(セットアップ)模型を作って治療後の歯並びがどんなイメージになりそうかザッと見て治療を開始していました。
しかし、それでは『骨格』に対する歯のポジショニングが不明確であり、更にはSetUpシミュレーションも歯科技工士に石膏模型のみ丸投げ発注する歯科医院が多く、矯正治療後に「噛みにくい」と言った声が多く聞かれました。
当院ではSetUpシミュレーションを歯科技工士に丸投げするような事はしておりません。歯科医師がどのように歯を動かすか考えながら歯科技工士に指示を出し確認しながら作業を進めています。
近年では光学印象(3Dカメラスキャン)によってデジタルデータ採得し、現状の歯の位置を何mmどんな角度で動かすと適切な位置へと移動するかを術前(現状)データ、術後データとデジタル上で重ね合わせ、移動させるイメージをより『精密に検査』できる様になりました。
更には、CTデータと重ね合わせて『骨の状況も確認』しながら治療計画を立案することが可能です。
デジタルSetUpでは石膏模型では不可能だった膨大な量のシミュレーションが可能になった他、身体的患者負担もかなり減っています。
最大の特徴は歯科医師が歯科技工士とZoomによって更に詳細な指示を出すことができるようになったため、昨今問題になっている「ただ綺麗に並べるだけ」のSetUpシミュレーションでなく、しっかり噛めて、予後の安定を認められるようなSetupシミュレーション行うことが出来るようになりました。
『一人でも多くの「噛まない・噛めない」をなくすために!』
SetUpシミュレーションを解析、分析、設計、編集するには歯科技工士、歯科医師のスキルも必要になることから、精密検査料金だけでも200,000円と高額です。
現実味の無い精密検査・矯正治療、インプラント、全額治療を行なって「噛めない」という一生の負債を患者さんに背負わせないようにしたいと思います。